ケンウッド製トランシーバー 「TM-D710GA」の国際宇宙ステーションへの搭載が決定

     ~宇宙飛行士と地球の子どもたちとの交信等に活用予定~

株式会社JVCケンウッドは、ケンウッドブランドの当社製アマチュア無線機「TM-D710GA」が国際宇宙ステーション(以下、「ISS」)に搭載されることになりましたので、お知らせいたします。「TM-D710GA」は、ISSでの使用を想定した特別仕様モデルで、2020年3月7日にSpaceX社のCRS-20(Falcon9ロケット)で打ち上げられました。ISSの欧州実験棟「Columbus(コロンバス)」に搭載され、宇宙飛行士と地球の子どもたちとの交信(スクールコンタクト)や宇宙飛行士の余暇運用、非常時の通信手段として活用される予定です。

※:Commercial Resupply Servicesの略で、20度目の商用補給サービス。



 搭載の背景と当社無線機の概要

当社は、長年培った「無線」技術を生かして、警察・消防・救急などで使用される業務用無線からアマチュア無線まで、高品質かつ高信頼性を実現した無線システムをグローバルに供給してきました。

 

これらの実績が評価され、当社のアマチュア無線機は旧ソビエト連邦が打ち上げた「MIR(ミール)」に搭載されました。1996年には「TM-733E/A」が、次いで1998年には「TM-V7A」が採用となり、それぞれパケット通信サービスや静止画像送信

といった目的を果たしました。

 

また、宇宙でのアマチュア無線機の運用を通して科学/宇宙教育の振興を図るために設立されたARISS(Amateur Radio on the International Space Station)からの要望を受け、2003年に当社製アマチュア無線機「TM-D700E」がISSに搭載されて以来、ISSへの搭載に向けたARISSからの仕様変更要望に対応した特別仕様モデルを提供してきました。

 

このたびISSに搭載される「TM-D710GA」は、ARISSから次世代無線機として指名されたもので、重力がほとんど無い状況での運用を想定した放熱性能や操作機能の向上・追加・変更を実施するなど、ISSでの使用を想定した特別仕様としました。同機は、ISSの欧州実験棟「Columbus」に搭載され、世界中の子どもたちが宇宙との交信を体験するARISSのプログラム「スクールコンタクト」で活用されるとともに、静止画像を送信するSSTVやパケット通信、音声レピーターなどさまざまなシーンで運用されるほか、地球とISSの間の通信ネットワーク障害が生じた際にはバックアップの通信手段という重要な役割も担う予定です。なお、同機は、2020年末にISSのロシア・サービスモジュール「Zvezda(ズヴェズダ)」にも搭載される計画です。

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当社は今後も、このたびの国際的な宇宙事業への貢献のように、当社製品やソリューションを提供することで、持続的な企業価値の向上と社会への貢献を図っていきます。

 

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